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MORINOへGOLAへ ~ 音づくりの旅2008年6月 ドイツ NO2
工場内はきわめて広大であった。 5000人を擁していた赤レンガづくりの旧工場からほど近いところに新工場はあった。両翼300mあろうかという巨大な敷地である。ちょうど東京ビッグサイトの西館くらいにはなるだろうか。西にシュバルツ・バルト(黒い森という名の山容)が、東にはシュバーレン・アルプスに囲まれた高原の地である。標高は600mを越す。初夏の陽射しがのぼりかける朝8時前にはとっくに工場は稼動していた。
15,000㎡(4500坪)をハーモニカとアコーディオンの製造場所で分ける。アコーディオンに必要な、木材、金属素材、樹脂部品といった資材ヤードに木工工作ヤード、塗装・表装ヤード、研磨ヤードさらに組み立てラインへと続く。数台の仕上がり途中のアコーディオンが台車にのって少しづつ移動していく。それぞれの組立工程では熟練の職人さんたちの熱気があふれていた。その隣に部品ストックがある。おびただしい数の部品が1F2Fに整然と並んでいる。アコーディオン製造部長のファウゼルさんによれば、70000点(工程)の部品、製造手法がデータ保管されている。それを管理するホストコンピューターは厳密に管理され、その修正なしには部品、仕様の変更は一切できないのだという。今も1950年代のMORINOの部品がストックされている。




修理・調律をする者の立場でみるとHONHNERの印象は革新的な思想、ものづくりにある。たとえばジュラルミン・ボディである。Lucia、アトランティックをはじめとしたシリーズに使われてきている。丈夫で経年の劣化がなく音量もある。バスボタンのワンタッチ式ユニット。これはボタンシャフトを1つづつ抜いて修理後並べ戻すという修理屋泣かせの根気のいる仕事を不要にしてしまった。ネジ2本で見事に内部まで分解できてしまう。便利、大胆なアイデアである。
音質切り替えのスリットは独自のデザインで、素材にはサビの来ないナイロン樹脂が使用されている。革新のきわめつけはリード革(さぶた革:通称)である。すでに1950年代からHOHNERでは樹脂リードを使用しているようである。本革(当歳鹿)がいいか樹脂がいいか、どちらがいい音がするか意見があるものの、リード弁の安定性でいえば樹脂リードである。キズさえつけなければ長期にわたって使用可能だ。しなりの強さは殆ど劣化しない。湿気も吸わない。カビも生えない。


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