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アコーディオンのメッカ、カステルフィダルドを往く。 NO-4
坂の町カステルフィダルドははるか1000年を越えて生きてきた。 方形の町、わずか1km四方の城砦の中で、あるいはそのすぐ坂の下に張り付くように、人は働き、暮らしてきた。 その町の人情ぶりをお隣り町ではよく言わない。ある隣人は「あそこは家族の仲が悪い、特に兄弟は助け合うのではなく、敵対することすらある」そんなコトバも聞いた。
極めて限定された広さの城砦と、仕事はアコーディオンづくりに依存してきた。ここで生きる以上、さまざまな制約や、しきたりがあったであろうことは想像にかたくない。

そんなカステルフィダルドだが、1000年を越えてかわらないのは360度開けた、その視界かもしれない。周囲には遠くのレカンティの小高い山をのぞけば、はるかアドリアの海を見渡す東から、西、南さらに北へさえぎるものがない。 隣町にのびるその道は、石灰質のせいか、白い道だ。「そういやぁ、うちンほうも、道ちゅう、道ちゃあ 白ろかったぃのーた。」 わが故郷、山口瀬戸内の山間も、やはり同じ白い道だった。 白い道をてくてく歩いて通ったもんだ。「それぇが、50年たった、今、地球の 反対側におってから同じ白い道ぃの~」。 思わず、山口弁がもれてくるなつかしい景色がそこにはあった。





屋根の色がなんともきれいだ、と思う。年をへて色が変化したのか、もともとまだら色だったかは分からない。でもあたりの道、壁の色と同調した落ち着いた色だと思う。壁も1000年の歴史を刻んでいる。 塗りこまれ、レンガの芯をおさえた木枠の窓枠がおそらく数百年の町をみてきた。 通りには若い感性も、もちろんあった。この家の入り口に記された彫刻は さすがデザインの国だ、と思う。
(以下次号)



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